2016年9月号 第367号
道をつくるのはあなた
時折、妻(福岡光子のことです。他人の妻ではありません)を車で歯科医院に送り迎えすることがある。(なにしろ私は妻の御抱え運転手も兼ねているのである。)
妻が治療を受けている間、時間つぶしに医院の近所をジョギングしたり、スコップを持って公園に行き、ジャンプ練習をしたりする。ところが先日、公園に出向いたところ砂場附近のグランドが雑草におおわれてしまっており三段跳びの練習ができない状態になってしまっていた。カンカン照り続きで子供たちも砂場遊びをしなくなっているようだ。土というものは踏みしめられないとすぐに雑草をはやしてしまうものらしい。
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詩人であり彫刻家であった高村光太郎は「僕の前に道はない。僕の後ろに道は出来る」と書き残している。芸術の世界において独自の道を開拓しようとした自負心を詠った言葉なのであろうか。
本門佛立宗を開かれた日扇聖人もまた
「私の前に道はない。私の後ろに道はできる」という気概を持って、新しい時代に適応した布教活動、信徒教導のあり方を模索なさったお方である、そのお陰で私たちは雑草に取り払われた信行の道を歩ませて頂けるようになった。
が、私たちは日扇聖人のご苦労に甘えてばかりいてはまことの後続者とは言えぬ。佛立の道にあなたの子や孫、縁ある方たちを誘い導くため、道に生えかけた雑草があれば取り除いて頂きたい。そして、まだ一人立ちできない新しい信者を「手にとり肩にひっかけて」菩提の道路を案内してあげて頂きたい。
九月二十二日は香風寺の秋の彼岸会法要がつとまる。あなたも「縁ある方々をまことの仏道に誘う香風の如き佛立信者」として、友連れ参詣に心がけて頂きたい。それこそがまことの日扇聖人の後続者なのである。
中々に あゆまれぬ子は 背なに負い
連れてゆくこそ 親心なれ
(日扇聖人御教歌)