2017年10月号 第380号
お布施とは
お教務さんへのお布施を謝礼だと思っているご信者が案外多いのではないでしょうか。
お布施は謝礼でもなければ、まして料金なんぞではありません。
布施という言葉は”布く施す”と読みます。自分の持てる身体、心、時間、お金といったものを、布く、つまりなんであれ、仏法を護持し、弘めるために活用させていただく、これが本来の布施の精神です。
こうした布施行の中でも、日蓮聖人は”僧侶はできるだけ仏の正しい教えを信徒に布施しなさい。
信徒はお金という布施を教務にさせて頂き、僧の生活を外護し、共に布施の功徳を積ませて頂きなさい”と説き勧めておられます。
ですからご信者がお葬式の際、あるいは回向法要の際にお教務さんにお布施を差し上げるのは、財の布施の功徳を積んで、故人の霊に手向けるためなんです。
御講でお教務さんにお布施を差し上げるのは、お教務さんを外護する財施の功徳を積ませて頂くためなんです。
その代わり、教務は機会あるごとに”法施 ”つまり教えを説き施す布施行に心がけないといけません。
要は、お布施は打算、損得勘定を抜きにして、我身に果報を備えさせて頂こう、我が心に功徳を積ませて頂こうという思いを込めてさせて頂くことが大事だということです。
いかなるかたちの布施供養も、外護の思いが込められてこそ、功徳、ご利益という良き報いとなって我が身に帰ってくるのですから。
法華経の 行者に供養 する功徳
現世に福の 報いをぞ得ん
(御教歌)