2020年8月号 第414号
ものは考えよう
お天気婆さんというお話がある。
この婆さんには太郎、二郎という二人の息子がいて大変な子供思い。太郎は洗濯屋、二郎は傘屋を営んでいるのだが、この二人の息子を持つ婆さん、お天気がよくても雨が降っても嘆いてばかりいる。お天気だと、「こんなにいい天気じゃ傘が売れんで二郎は困っとるやろ」と言って嘆き、雨が降ると「こんなに天気が悪いと太郎は洗濯物が乾かんで難儀しとうじゃろ」といって嘆く。
こうして嘆いてばかりいる婆さんに近所のある人がこうアドバイスした。
「婆さんや、なんで物事を反対から見んのじゃ。お天気の日にゃ洗濯物がよう乾いて太郎は喜んどるじゃろ。雨の 日には傘がよう売れて二郎とこが儲かっとるじゃろとな。
「そうしたら天気のええ日も悪い日も喜んで暮らせるじゃろうが」
さて、あなたは物事をどちらのサイドから見る習性を身に付けておられるか。
脇見運転の車に自分の車があてられ車体がへっこんでしまった。
「信心してんのに、なんで交通事故に遭わんならねやろ。車体御本尊なんてええかげんなもんやな」
「ご信心させてもらっているお陰で大難を小難にさせてもらった。有難いな」
留守中にドロボーに入られ、お金や貴金属を盗まれた。
「信心しててなんでドロボーに入られたんやろ。御宝前のご守護なんてほんまにあんねんやろか」
「お金や物盗られただけですんで良かった。もし留守してなかったら命まで持っていかれるところやったかもし れんわ。これも御宝前がお金や物をわたしの命の身がわりにしてくれはったんや」
佛立信者は御法門を定規にして、ネガティブ(否定的)な物の見方、考え方をポジティブ(肯定的)な物の見方、考え方に転じさえていただきましょう。
さかさまにものを見るゆえ
よきことをわろしと思う
人あわれなり
(御教歌)