2021年4月号 第422号
ものは考えよう
お天気婆さんという話がある。この婆さんには太郎、二郎という二人の息子がいて大変な子供思い。太郎は洗濯屋を、二郎は傘屋を営んでいるのだが、この二人の息子を持つ婆さん、お天気がよくても雨が降っても嘆いてばかりいる。
お天気だと、「こんなにいい天気じゃ傘が売れんで二郎は困っとるやろ」と言って嘆き、雨が降ると「こんなに天気が悪いと太郎は洗濯物が乾かんで難儀しとるじゃろ」といって嘆く。
こうして嘆いてばかりいる婆さんに近所のある人がこうアドバイスした。「婆さんや、なんで物事を反対から見んのじゃ。お天気の日にゃ洗濯物がよう乾いて太郎は喜んどるじゃろ。雨の日には傘がよう売れて二郎とこが儲かっとるじゃろとな。そうしたら天気のええ日も悪い日も喜んで暮らせるじゃろうが」さて、あなたは物事をどちらのサイドから見る習性を身につけておられるか。
脇見運転の車に自分の車があてられ車体がへっこんでしまった。「信心してんのに、なんで交通事故に遭わんならんねやろ。車体御本尊なんてええかげんなもんやな」「ご信心させてもらっているお蔭で大難を小難にさせてもらった。有難いな」留守中にドロボーに入られ、お金や貴金属類を盗まれた。
「信心しててなんでドロボーなんかに入られたんやろ。御宝前のご守護なんてほんまにあんねやろか」「お金や物盗られただけですんで良かった。もし留守してなかったら命まで持っていかれるところやったかもしれんわ。これも御宝前がお金や物をわたしの命の身代わりにしてくれはったんやわ」
佛立信者は御法門を定規にして、ネガティブ(否定的)な物の見方、考え方をポジティブ(肯定的)な物の見方、考え方に転じさせていただきましょう。
さかさまにものを見るゆえ
よき事を
わろしと思う
人あわれなり
(御教歌)