2022年6月号 第436号
今落ちの人生を送らぬよう
昔のことを懐かしく振り返り、同世代の知人、友人と語り合うのはいいものです。
けれども、長話をしすぎると「あの時はお互いに若かったわね」「あの頃はいい時代だったよね」としみじみとした心境になってくる反面、思い出したくもない出来事や、みじめな思いをしたことまで蘇ってきたりするので要注意です。
過去を振りかえるのはほどほどにして、今を大切に生きようと、心のスイッチを切り替えましょう。
過ぎ去ってしまったことを後悔し、先のことを心配ばかりする。そういう日々を送ることを「今落ちの人生」といいます。人間はややもすると年をとるほどに今落ちの人生になりがちです。
「今の私にはなにができるか」ということに心の焦点を当て直し、今持てる自分の身体と時間とお金を今を生きることに有効に使い、密度の濃い日々を送る佛立信者になりたいものです。
年寄りてつとめ働き
できねども
後世(ごせ)の菩提は
今ぞ時なる
(御教歌)