2022年7月号 第437号

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物事は受け止め様odousi-photo

 悲観的に解釈したり、受けとめたりする傾向があるなら、今日いまからそういう心の姿勢を改めるよう努力すべきである。

 ご信者がちょっとしたアクシデントから軽いケガをなさったとする。

 「ご信心しているのに、なんでこんな目に遭(あ)いますのやろ」とボヤク方がいる。

 「お陰さまで、大難を小難にしていただきました」と喜ぶ方もいる。

 物事はよいように解釈すること。これも幸せづくりの秘訣の一つである。

 ちょっとした出来事であっても、受とめ方、解釈の仕方如何であなたの運命は大きく変わっていくものなのである。

 元大阪美術学校の校長で、南画の大家であった矢野橋村氏は片腕の画家であった。彼は愛媛県の波止(はし)浜 (はま)に生まれ育ったが、幼少の頃から画才を認められていた。が、彼の家には彼に絵を学ばせるだけの資力はなかった。

 大阪へ出た彼は砲兵工廠の職工となって働きながら、当時、大阪画壇の重鎮であった永松春洋に師事して南画家を目指すことになる。

 が、しばらくして矢野少年の身に不幸な出来事が起った。作業中、誤ってローラーに巻き込まれ、左の手を失ってしまったのである。彼はこの災難をどう受けとめ、どう解釈したか。

 「片腕を失ったのは、おまえは絵の修行に専念せよという、なにかのお告げかもしれない。もしそうならこの災難はかえって僕に仕合せをもたらしてくれるかもしれない」

 この事故ののち、彼は絵の修行に専念することになる。そして彼の画技はめざましい進歩をみせはじめ、ついには南画の大家となって幾多の大作を世に残したのである。


 福岡日雙著『はみだし人生法話』より


 身に病い受けし報いも
法華経の見捨てたまわぬ
     逆縁としれ
      (御教歌)


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