2022年11月号 第441号
金言を守るべきなり
なん年か前にノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑(ほんじょ・たすく)氏が「『ネイチャー』や『サイエンス』(一流科学論文誌)に出ているものの九割は嘘(うそ)で、十年経ったら残って一割」と語っていました。
これは論文を書いた学者がでたらめな学説を発表しようとしたということではありません。研究がさらに進むと学説は変っていき古くなっていくということなのでしょう。
卑近な例では、テレビや新聞などのマスコミを通して「卵はコレステロールを上げ、心筋梗塞につながる」などといわれたことがありました。それが今では「卵を食べても悪影響はない。一日に二個くらいなら食べたほうがよ い」といわれだしています。
「肉は大腸がんにつながる」と言われていたのが、今は「長生きしたければ毎日、肉を食べなさい」と言われるようになりました。
日蓮聖人は『如説修行抄』の中で「仏法を修行せんには人の言(ことば)を用うべからず。あおいで金言(きんげん)を守るべきなり」と説いておられます。
釈尊の説かれた教え、とりわけ法華経の教えは、時を経ても環境が変っても、その輝きを失わないダイヤモンドのように、いつの時代、いずこの国の人々をも等しく導き、救いとる不変、不滅の真理を備えた教えであるところから「金言」と称されてきました。
私たち佛立信者は、世の一時的な評価、評判に惑わされることなく、金言である釈尊の説かれた法華経の教え、そしてその教えに基づいて弘め、伝えて下さった日蓮聖人、日隆聖人、日扇聖人の三祖のご教示を道しるべ、羅針盤にして一途に信行の道を歩ませていただきましょう。
人のいう言葉につくな仏法を
信ずるならば仏説によれ
(御教歌)